牧志公設市場を訪れて、一通り見て廻って満足して去ろうとしたとき、1軒の店が目に止まった。
外観に“昔ながらの”って味わいが深い、そこそこオオバコの大衆酒場の気配。
すごく惹かれて近づいてみると。
おわかりいただけただろうか。
タバコ屋の意匠を残した店頭に招き猫……いやそこじゃなくて、ガラス戸の向こうに何かがいる。
その辺りを店内から見た様子がこちら。
おわかりいただけただろうか。
猫がいる。
店内に猫がいる店なのである。
昔からの食堂を改装したのであろう店内は広く、コの字カウンターの島がふたつあって、その店内を3匹の猫が気ままに徘徊していた。
猫解放区なのだ。
それは猫カフェとかの様子とは違って、猫が勝手気ままに振舞っている猫フリーゾーンなのだった。
猫に夢中になってばかりいないで酒を飲もう。
せっかく沖縄なのでと、泡盛のハイサワーをもらった。
実は泡盛はそんなに得意じゃないのだが、サワーにすれば大丈夫だ。
そして、サワーを飲んでいても、猫。
カウンター上の一段高くなったところを通りすがっていく猫。
こちらに目線をくれるが、媚びる様子はなく本当に“通りすがる”という振る舞い。
しばらくして今度は、カウンター上を酒を避けながら通り過ぎていった。
縦横無尽というか、泰然自若な猫。
まるでこれは客が座るカウンターの上でオネーチャンがお尻プリプリで踊り狂う「コヨーテ・アグリー」の様相だ。
いや、それとは違うな客への媚がないから、客を客とも思っていない傍若無人な振る舞いとも言えなくなない……が、猫なので、それがいい。
猫以外にも、レコードプレイヤーと古いLPレコードとか。
お通しが豆腐の味噌汁なのか、とか。
掘り下げたら面白い点があったのだが、ぜんぶ猫にもっていかれた。
猫が“おる”から「おる商店」なのかと店主に訊いてみたが、ぜんぜん違います(笑)とのこと。
ちなみに、九州では“居る”ことを“おる”って言うんだよ。
店名の本当の由来は、また訪れる機会があったら確認してみよう。
また沖縄に行くことがあったら、猫たちに会いに立ち寄りたい。
↓「食べログ」での店舗情報